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1ファンが勝手に語る伊東たけしサックスセッティング遍歴 その4

2017/ 02/ 07
                 
フルクラです。
4回にも渡って語ってきた伊東たけし氏のセッティング考察。
今回で最終回です。
振り返ってみると、結構細かく分類していましたねぇ。
始めはここまで多いとは思ってませんでしたが、これを機にこの時期のサウンドは
このセッティングなのか。と参考にでもなれば幸いです。

では始める前に、実は紹介し忘れていたセッティングがありました。
といっても、メインのセッティングではなく、本当に一時期の使用だったり
もしくは噂レベルのものだったりするだったからですね。
一応完全版を意識してますので、ここでまとめて紹介しておきます。

まずは2000年復帰前後ですが、80年代とは別個体のSA80Ⅱを
使っていました。
無論GPですね。
top_2-thumb-650xauto-32030.jpg 
この画像もSA80ⅡのGP(ネックの彫刻で確認)ですが、
前述の個体と同じかは不明です。
ちなみにリガチャーは旧セルマー純正のGPですね。
珍しいセッティングですね。

この個体は最後のソロ活動期のアルバム
Turn Overのレコーディングのみで使われたらしく、
その後すぐに売却されたとのこと。
なのでほぼ新品同様ですね。しかもプロの実質選定品ですから、
これを買えた人はラッキーですね。


そして次は2008年。
こちらは楽器ではなくリードの話ですね。
普段伊東氏はV16やラボズなど、アンファイルドカットのリードを
使っていますが、
この年のソロアルバム、Mellow Madnessでは
青箱こと、バンドレン・トラディショナルを使っていたようです。
固さは不明ですが、デュコフと合わせた所を見るとさしずめ2 1/2と
言ったところでしょうか。
3は恐らくマウスピースとの組み合わせ的に重すぎます。
いくら伊東氏でもかなり厳しいでしょう。
そもそも、同じ2 1/2でもV16の方が薄いですから。

ちなみにこのリードにはExt処理と呼ばれる特殊加工が
されており、普通のリードよりよく鳴るようになっているようです。


確かにいつも比べて音が太めでマイルドなような・・・

少数ですがこのようにデュコフに青箱の組み合わせの人達も
いるそうです。かくいう私も一時期デュコフではないですが
セオワニに青箱を合わせていたことがあります。
意外と吹きやすく、音も痩せにくい上ダイナミクスもつけやすいので
いいといえばいいのですが、私には余りにも重くてすぐ口がバテてしまい
すぐにろくに吹けなくなるので辞めてしまいました。
かなりパワーある人向けのセッティングだと思います。

後、スクエアとしてデビューする前にマーク7を使っていたとか、
一時期普通のシリーズ3を使っていたとか、
色々な噂があります。これらに関しては詳細がないので
紹介できません。申し訳ない。


さて本編に戻りましょう。
いよいよ今回は2014~現在までのセッティングを見ていきます。

まずは2014年。
前回、SAXZで伊東たけしシグネチャーを制作してもらったものの、
2013年にはデュコフに戻した伊東氏。
元々デュコフは一時的な代用だったのか、すぐにマウスピースを
変えました。

本体...H.Selmer Serie3 Sterling Silver Jubille
マウスピース...セオワニ KALI 7(8?)
リガチャー...旧セルマー純正(GP?)
リード...バンドレン V16(特注)

セオワニはここ数年で多くのプロに絶賛されてるマウスピースですね。
元々リフェイス職人のセオワニ氏が数々のリフェイス経験を基に
理想のマウスピースを作ろうというので作られた経緯があります。
特徴としてはバッフルによって複数のバリエーションがあり、
全体的に音は太めでなめらか、ですが素材がブラスらしく、
どこかカラッとした雰囲気もある感じ。
非常にレスポンスを良くしたオットーリンクみたいな感じだと
私は思います。
リガチャーは基本一体型で全体的な雰囲気も装飾がついていたりと唯一無二。
個性的なマウスピースですね。

伊東氏が使っているKALIは複数あるバリエーションの中でも
最も鋭い音の出るハイバッフルマウスピースです。
私も持っていますが、中音域は非常に安定し、逆に高音域は独特の雰囲気
を持つ、音域によって性格が変わる不思議なマウスピースです。
しかし反応も早く、おまけに暴れる感じの音も出せるので、
伊東氏は気に入ったのではないでしょうか。

ちなみに、マウスピースが変わった際雑誌に特集されたそうですが、
その際間違ってKALIではなく一つバッフルの低いDURGAと紹介された
らしいです。私もその情報を噂に聞き、一年発起してDURGAを買った経緯が
ありますwでも私は現在もメインはDURGAです。
DURGAの方が幾分マイルドですが、その分味と深みのある音を出せるので
お気に入りです。好みの世界ですね。

WikipediaでKALI 7と書いているので今回は合わせています。
でも伊東氏のこれまでの経験的に8でもおかしくはないですね。
KALIは現在廃盤になっており、DURGAが実質的な後継となっているようです。
設計的にそもそも似通っている二つなので、設計をミックスでも
したのかもしれませんね。ですので現在は中古のみです。

この時期は一体型リガチャーではなくあえてセルマー純正を使っていたようです。
なぜかは分かりませんが、感覚的にリガチャーを後ろにしたかったのでしょうか。


このセッティングの時の演奏。
これまでと違いマウスピースが金色に輝いてます。


さて、ライブではこのセッティングが主でしたが、アルバムなどでは
時折デュコフも使っていたようです。
この二つ、似ているようで結構キャラクターが違うので
使い分けてたのでしょうか。
個人的には、バラードなどゆったり目な曲はセオワニ、
早めのキレのいい曲はデュコフがいいと思います。


そして、ついに現在のセッティングです。
といっても前述のセッティングからほとんど変わっていません。

本体...H.Selmer Serie3 Sterling Silver Jubille
マウスピース...セオワニ KALI 7(8?)
リガチャー...セオワニ付属(GP)
リード...バンドレン V16(特注)

セオワニの一体化リガチャーになりました。
これが2015~2017年現在のセッティングです。



総銀の本体に真鍮のマウスピースになったことで、
全体的に丁度いいバランスの音がします。
しかし、還暦を過ぎてもなおこのセッティングで吹ける伊東氏は
脅威の体力ですね。
私もこうありたいものです。



さて、いかがでしたでしょうか。
1978年~2017年の伊東たけし氏のセッティング考察はこれで
以上です。

こう振り返ってみると、どんなにセッティングが変わっても根本は
やはりその人自身なのだと思い知らされます。
私もこうしてセッティングを一生懸命調べていますが、
どんなにセッティングを近づけても、伊東たけし氏には
到底及びません。

ですが練習をし、なおかつセッティングを適切に組むと
必ずどこかで「あ、今の音いいかも」と思える時があります。
それが増えたら幸せですね。

セッティングに依存しすぎても駄目ですし、
セッティングを疎かにしすぎても自分の理想の音は出せないと思います。

セッティングを変えるということは、気分を変えるとか自分のサウンドを
良くしたいとか色々目的があります。
もちろん、「憧れのあの人の音色みたいになりたい」というのも
立派な理由です。
そんな人たちにとって、この記事が少しでも参考になれば幸いです。

ではでは、また次回お会いしましょう。
セッティングは終わりましたが、まだ足りないものがあるので。




                 
        

1ファンが勝手に語る伊東たけしサックスセッティング遍歴 その3

2017/ 02/ 05
                 
フルクラです。引き続き伊東たけし氏のセッティングについて語っていきます。

前回、ソロ活動を10年間したあとひょんなことからスクエアに復帰した伊東氏。
セッティング的にはリガチャーこそ変わったものの、
SA80GPを長らく使っていました。

バンドレンオプティマム使ってた時の映像。
1980年代に比べて音に深みが増してる気がします。

2000~2002はユニット期として、伊東たけし氏、安藤まさひろ氏の
二人で活動し、サポートメンバーとしてかつてのスクエアメンバーが
駆け付けたことがあったものの、基本的に固定メンバーは二人でした。
ですが2003年,T-SQUAREが25周年を迎えたことをふまえ、
かつてTHE SQUAREとして活動したメンバーと1年限定で活動します。
メンバーはアルバムTRUTH~NATURALまでに活動していた5人。
+サポートとして2000年からキーボードとして共に演奏していた
河野啓三氏が加わりました。(キーボードの和泉氏がピアノのみで参加するため)

そして期間限定メンバーでの活動の一環として、
新規アルバム「Spirits」の作成、
同世代のクロスオーバー、フュージョン界のライバルにして
共に界隈をけん引してきたバンド、Casiopeaとの共演が実演します。

この時、基本的なセッティングはそのままに、サックスのネックを
変えたようです。
ですので

本体...A.Selmer SA80GP(ネックH.Selmer SA80用GP)
マウスピース...デュコフD8(初期)
リガチャー...ハリソンハーツ(オリジナル?)
リード...バンドレンV16(特注)orバンドレンZZ(?)

映像を見る限りだと、ネックのみ金の色味が違うのと、
彫刻が入っています。(フロントのエンブレムも今までと違い青が入ってます)
このことから恐らくノナカ直営のセルマージャパンのアクタスにて
制作されているブルーローズのSA80用GPの可能性が
高いです。オクターブ付近の留め金があることから、
過去に予備として購入していたものではないでしょうか。
(2000年前半には本国セルマーのSA80Ⅱのネックに留め金は存在しない)
現在はジュビリーでネック形状も変わったので、
同仕様のネックは中古でしか手に入りません。

いくらアメセルではないネックとはいえ、純正のしかもアクタスの
金メッキですから、仕様的に正直そこまで差はないでしょう。
音色の傾向的には、SA80の純正よりか華やかで明るい音がしますね。
私のマイ楽器のSA80Ⅱ(通称ヤミちゃん)もこれと同仕様のネックですが、
非常にパワーが入り、程よく抵抗も増えるためネックだけとはいえ
侮れないと思います。

伊東氏は以前とある番組で、「(ネックを指して)これは随分変えますよね」
と言っていることから、それを実践したのだと思います。
理由としては、この時期に実はSA80GPが楽器的に「抜けて」しまったため
伊東氏が思った通りの反応をしなくなったと言われています。
(楽器において「抜ける」とは形成する金属が振動することで
抵抗感や音の角がとれることを指します。
身もふたもないことを言うと金属疲労するわけですね。
世間一般のヴィンテージ楽器とはこの状態のことが多く、
それを好んで愛用する人が多いというわけです。)

元々伊東氏はパワー系の奏者であり、抵抗が多い楽器を好んだそうです。
GPはネックだけでも結構息に対しての抵抗が増えるので、
本体まるごとだと更に当然強い抵抗になります。
更に伊東氏所持のSA80GPは銀メッキ下地の金メッキといわばメッキが
二重になっており、メッキの厚さに比例して抵抗は上がりますから、
当然パワーも必要になり「抜ける」ようにするのもかなり大変です。

つまり、そんなSA80GPを「抜いて」しまうほど吹き切った伊東氏の
パワーがすごいわけですねw
その抜いてしまった抵抗感を取り戻すための措置の一つだったのでしょう。

リードについては、以前どこかでこの時期伊東氏がZZを使っていたという
情報を聞いたためです。バンドレンZZはラボズによく似た性質のリードですが、
使っている葦の違いかよりしっとりとした音がするリードです。
元々ラボズを使っていた人ですから、一時期使ったとしてもなんら不思議では
ないですね。

この時期の伊東氏はスランプを脱し、かなりいい調子に見えます。
ファンの間でもこの時の伊東氏は特別と言う方も少なくはありませんね。


前述のCasiopeaとのライブ。最後のASAYAKEソロがしびれます。

とまあそんな感じでSA80GPを約20年ほど吹いてきた伊東氏ですが、
ネックを変えても満足できなかったようで、
ついに楽器を変えることを決意したようです。

そして数々の名演奏を打ち立てた名器SA80GPの後継として
選ばれた楽器がこれです。



分かりますでしょうか、今までと違い銀色に光る楽器、
そうです、後釜に選んだのはなんと総銀製のセルマー
セルマーシリーズ3スターリングシルバーだったのです。
使用期間はジュビリー除いてまずは2004~2008。
セッティングとしては

本体...H.Selmer Serie3 Sterling Silver
マウスピース...デュコフD8(D5?)
リガチャー...ハリソンハーツ(オリジナル?)
リード...バンドレン V16(特注)

ちなみにスターリングシルバーとは銀の含有率92.5%以上の銀のこと、
銀だけだと素材的に柔らかすぎて加工しにくいため、銅などをあえて
足すことで強度を確保するのです。
かつて総銀製サックスといいえば古くはキングスーパー20や
日本ではヤナギサワが以前より総銀製サックスというのを作ってきましたが、
セルマーが総銀製サックスを作るのはこれが初。
まさに既存の枠に留まらないという意思の表れでしょうか。
(偶然にも、かつて同じSA80GPを導入した渡辺貞夫氏もこの時期同じ
シリーズ3SSにかえています)

サウンドですがSA80GPと違いまとまっていてかつ音が丸い、というか
ゴムのように弾力をともなった感じに聴こえます。
(貞夫氏をして音がキャリーする感じ)
シリーズ3は元々SA80系と比べてパキッとしたキャラクターの
楽器ですが、総銀という素材の影響か、まったくそう聴こえません。

この時期この楽器を馴染ませるためにデュコフD5を使用したという噂があります。
たしかにライブ映像を見るといつもより負担が少なそう・・・?
ですが総銀は通常楽器に用いられる真鍮(ブラス)に比べて非常に吹奏感が重いです。
素材自体が重いためで、実際本体そのものがそうとうの重量を持っています。
まず素人は鳴らすのに苦労する上、性質の違いでニュアンスとかも相当苦労する
でしょうから、間違いなく上級者向けの楽器です。(お値段も上級者向け)

楽器を変えたタイミングと関係あるかは不明ですが2005年にスクエアは
これまでのユニットから新たに坂東慧氏、そして河野啓三氏を正式メンバーに加え
バンドとして再び活動を始めます。
(このライブツアーで参加した田中晋吾氏も未だサポート扱いですが、現在の主要
メンバーとして活動している)
ここから、2017年現在まで続くメンバーになったわけです。
ちなみに歴代でも最も長い滞在メンバーです。

若い風が入ったことで若さを取り戻したかのような伊東氏。
その後もコンスタントに活動を続け、2008年にはT-SQUARE Super Band
として過去のメンバーも交えてアルバム制作、ツアーをします。
そのときにリガチャーをセルマー純正の(恐らく)GPに変えています。
手法としてバンドレンオプティマムと同様、ソプラノ用を転用しています。
 
ニコニコにしかその映像がありませんでした。しかしどちらも
いい音色だ・・・

本体...H.Selmer Serie3 Sterling Silver
マウスピース...デュコフD8
リガチャー...セルマー新純正(GP?)
リード...バンドレン V16(特注)

セルマーのリガチャーは元々オーソドックス(今では逆に貴重)な
下締め二本ネジでしたが、今は上締め一本ネジのものに
仕様変更されています。
余談ですが、旧セルマーが下締めだった影響か新仕様になっても
未だネジを下につけて使っている人がいるようです。
普通にはめると新リガチャーはリードに接する面に角度がついているので
そのままだと100%チガチャーのパワーを発揮できません。
あえて下締めにしていない限りは、素直にネジを上にして使いましょう。

で、話は戻りますがこの年2008年にはT-SQUAREも30周年ということで
これまでの歴代メンバーを出来るだけ集めてコンサートをしようということで
T-SQUARE 30周年野音であそぶが開催されました。
そのときから伊東氏はこれまでのデュコフをベースにSAXZによって制作された
総銀製マウスピース、伊東たけしシグネチャーモデルを使い始めます。

本体...H.Selmer Serie3 Sterling Silver
マウスピース...SAXZ 伊東たけしシグネチャー
リガチャー...伊東たけしシグネチャー純正
リード...バンドレン V16(特注)

サウンドとしては総銀製なだけあって非常にふくよかでかつ上品なサウンドです。
デュコフよりももちっとした音な気がします。
何より純正リガチャーも総銀ですから、そのサウンドの一体感は最たるものでしょう。
見た目もかなり特徴的です。


デュコフに比べて音が「重い」印象がありますね。

さて、その後もスクエアとしての活動を続けていましたが、
ここで2010年にセルマーが125周年記念として現行機種のマイナーチェンジを
行いました。そうです、今のジュビリーとはこの時になったわけです。
ジュビリーの特徴として
部品各部を薄くすることによって吹奏感を軽く。
彫刻を従来の手掘りからレーザー彫刻へ。
SA80Ⅱとシリーズ3のパーツ一部共通化。
と多くの部分で改悪改変されたのですね。

まあ背景として、セルマーは2000年代前半に大規模なストライキが
発生し、これまで作っていた職人が辞めた影響で
手彫り彫刻の簡略化など、至るとこで影響が出始めてました。
そこでパーツを共通化、かつ工法を機械化することで、
職人の負担軽減とバリエーションの多さを両立しようと
したわけですね。
現に最近ではシリーズ2,3,リファレンスに加えて廉価版である
アクソスを出していますから、一定の効果は出ていると思われます。

元々旧仕様のシリーズ3SSはフラジオにおいて難があったらしく、
2008年ツアーの映像でもフラジオを吹こうとして失敗している
伊東氏を見ることができます。

それを知ってか知らずか、はたまたセルマーからテストとしてもらったか
シリーズ3もジュビリーになります。使用期間は2010(2009?)~現在

本体...H.Selmer Serie3 Sterling Silver Jubille
マウスピース...SAXZ 伊東たけしシグネチャー
リガチャー...伊東たけしシグネチャー純正
リード...バンドレン V16(特注)

旧シリーズ3SSは素材のせいか彫刻が入ってませんでしたが、
ジュビリーはレーザー彫刻になったおかげか彫刻が入っています。
サウンドとしては管体軽量化の影響かより角が立ったエッジーな音
がするように感じます。ですが元々の素材が総銀なのでそこまで
薄い音だとは思いません。
ブラス製はどうなのでしょう・・・

フラジオもジュビリーになってから当てやすくなったようで、
フレージングもかなり変化していますね。

ちなみに楽器が変わった時期ですが、
この時期は映像がほとんどなく推測するしかありません。
ですが渡辺貞夫氏が2009年ごろジュビリー仕様のシリーズ3SSを
購入したらしく、恐らく伊東氏も同じタイミングで購入した可能性が
あります。
(セルマー本社から市販に先駆けて支給された可能性があります)
一時期伊東氏は旧ネックと新ネックを取り換えていた時期があったみたいです。

さて、話は飛びますが2013年、先ほどの30周年と同様、
今度は35周年記念として歴代メンバーが再集結しました。
この時のセッティングですが、
なんとSAXZの伊東シグネチャーではなく、普通のデュコフに戻っています。
ですので

本体...H.Selmer Serie3 Sterling Silver Jubille
マウスピース...デュコフD8
リガチャー...ハリソンハーツ(オリジナル?)
リード...バンドレン V16(特注)

といつものセッティングに戻ってしまいました。
理由ですが、総銀製の音は聴いても分かる通り、非常に特徴的です。
ですが総銀の特徴として音が「重すぎる」きらいがあり、
通常総銀製のものはワンポイントで使うのが一般的です。
(リガチャーだけとか、マウスピースだけとか)
伊東氏の前述のセッティングはすべて総銀ですから、
音も重いですがなにより吹く時の負担も半端じゃないはずです。
そのことを踏まえた上での対応だったのではないでしょうか。

ちなみに、現在SAXZで伊東たけしシグネチャーは作ってないみたいですね。
まあ本人が使ってませんからね・・・


35周年時の映像。いつものセッティングですね。

さて、今回はここまでです。
次回はいよいよ完結です。
2014年頃から現在のセッティングを順番に説明していきます。

しかし、こうみるとセッティング一つで同じ人でも結構
音が変わってますね。
普段は気にしてなくても、ふとした所を変えるだけでも
かなり自分にいい効果を見込めることがあります。
今までセッティング気にしたことないわー
って人も一度見直してみると後でいいことがあるかもしれません。

ではではまた次回。
                 
        

1ファンが勝手に語る伊東たけしサックスセッティング遍歴 その2

2017/ 02/ 03
                 
どうもフルクラです。
今回も前回の続きとして、伊東たけし氏のセッティングを
一個人の勝手な意見で語りたいと思います。

前回、マーク6からSA80に変わった話をしましたが、
それと同時期に実はリードも変わりました。

本体...A.Selmer SA80GP
マウスピース...デュコフD8(初期)
リガチャー...ハリソンハーツオリジナルGP
リード...バンドレンV16 2 1/2(?)特注

リードがラボズからバンドレンのV16になりました。
なんでもラボズの葦の生育が悪く、イイリードがなかったためだそうです。
V16の最後のハテナは、サンボーンがたしか2 1/2ため合わせましたが、
いまいち確証が持てないのでハテナにしておきます。
このころからバンドレンとエンドースしたのか特注で専用のを
作ってもらってるそうです。

ラボズとV16のサウンドの違いですが、
ラボズが広くバリバリと鳴るのに対して、V16は一本の芯を持ちその周辺が鳴る
感じになります。レンジでいうとラボズのがいいですが、
音の伝達性、存在感はV16と言ったところでしょうか。
SA80GPが結構似たキャラクターなので、V16になってから更にパワフルで
ゴツい音色になりましたね。(伊東さんも並行してガチムチに...w)
T-SQUAREのアルバムで言うとWAVE,NATURALがこのセッティングですね。


上記のセッティング。1989年。曲は伊東時代の難関曲Big City

ここらへんで時代はまさにT-SQUARE=伊東たけしの図式が成り立った感じ
でした。このまま順風満帆に...
とはいきませんでした。

ここでまさかの伊東たけし氏、スクエアを脱退してしまうのです。

1990年の話です。
実はかねてから海外進出をしたいと思っていた伊東氏。
その思いはスクエア所属時に出していたソロアルバムに如実に出ていました。
特にちょうどこの時期出していたソロアルバム「T.K.」では
なんと大半が英語のボーカル曲と、もう海外に出たくて仕方がない感じ
でした。
ちなみにスクエア脱退をリーダーである安藤まさひろ氏に
まさかの蕎麦屋で告白したそうですが、
返事は意外にもあっさりしたものだったらしく、
「俺のことそんなに思ってないのか・・・」
とすこしがっかりしたそうです。

とはいえ、これまでスクエアでフロントを張っていた伊東氏の脱退は
ファンにとてつもないショックを与えたのは言うまでもありません。


で、ついにソロとして活動を始めた伊東氏。
まるで過去を拭い去るように楽器のセッティングを一新してしまいます。
それが以下のセッティング。
アルバムとしてはVISIONS,T.K.LA,GROOVE ISLAND(?)

本体...A.Selmer Mark6(シリアル14万台)
マウスピース...デュコフD8(初期、ジョン・パーセル氏チューン)
リガチャー...ハリソンハーツオリジナルGP
リード...バンドレンV16特注

まわりにまわって戻った感のあるMark6。ですが前回のMark6とは
違い、映像を見る限り通常のラッカーのようですね。
シリアルをあえて書いたのは知る人ぞ知るものだから。
というのも、アメセルマーク6のシリアル14万台は
デイヴィッド・サンボーンナンバーと呼ばれる名器とされており、
サンボーンが使い始めてから一躍ジャズ界で人気となった機種です。
なんでも音の傾向が最も優れているとか操作性が最高だとか・・・
現在はヴィンテージ楽器の中でも最も高値で取引されており、
状態によっては200万とかいうのもあります。

更にマウスピースの欄の名前、ジョンパーセル氏。
この方は90年代よりサンボーンの楽器のメンテ全般をしている方らしく、
サンボーンのデュコフの調整もしている方ですね。
この方のデュコフ、そしてサンボーンナンバー14万台のアメセルマーク6...
確実にサンボーンを意識したセッティングといえるでしょう。
まるで己の海外進出を形にしたような意欲を感じます。

現にこのころ出たソロアルバムも非常に都会的で、いかにもNY,LA的な雰囲気を
感じます。(スクエア時代とは雰囲気がまったく違います)
というかT.K.LAとかほぼそのままですねw
伊東たけし氏のソロ時代のアルバムはとてもいいアルバムばかりで、
なおかつバラエティに富んだラインナップなのですが、
惜しむべきは現在すべてが廃盤であるという事。
(レーベルの関係でしょうか)
ブックオフとかでたまーに売ってますので、見つけたらぜひ買ってください。
非常にいいですよ。


この時期にはサンボーンの曲をアレンジして吹いていたようで、
バックのメンバーもかつてサンボーンと共にした人たちで構成していた
時期もあります。


サンボーンの曲であるTinTin、バックも非常に豪華。
このテイクを聴くとほとんどサンボーンに聴こえますね。


このセッティングは脱退直後の1991年から1993~1994年まで使われ、
その後色々思うところがあったのか1995年には
下記のスクエア脱退前のセッティングに戻ります。
(伊東氏は雑誌のインタビューで「ヴィンテージはその時代の音が出るけど、
却ってそれに支配されてしまう気がした。」と言っていたので、そのためかも)
この時期のアルバムはT.K.COVERS,T.K.BREEZE,SCARE HEADLINE,
LOVE,Double Circle

本体...A.Selmer SA80GP
マウスピース...デュコフD8(初期)
リガチャー...ハリソンハーツオリジナルGP
リード...バンドレンV16 特注

1995年から2000年まで、ほとんどこのセッティングだったようです。
余談ですが、この時期はスキー場とかでスキーウェアを着ながら演奏してる
映像もあり、見てて寒そうなのとマウスピース周りがくっつきそうで恐ろしいです。


この時期は映像自体が希少ですね。ネット時代ありがたや。


順調にソロ活動を重ねていた伊東氏ですが、
スクエアと完全に関係を断っていたかというと、実はそうでもなく
1993年にライブで、更に前述のT.K.BREEZEにて安藤氏と仕事を
していますね。
そして1998年、スクエアファンにとっては伝説の野音で遊ぶ98で
久しぶりにスクエアとして復帰しています。
同時期にはT-SQUAREのアルバムGravityのボーナストラックで
かつてのメンバー同様、レコーディングにも参加してました。

そして新世紀である21世紀が始まった2001年(決してエヴァではない)
伊東氏にとってまた転機が訪れます。

なんと偶然犬の散歩中の安藤まさひろ氏と会う。
そしてその流れでスクエア復帰!(?)

まさかの復帰です。
ちなみに上以外にもいろいろあったとは思います。

というのも、ここで少し伊東氏が抜けた後のスクエアの話を。
伊東氏脱退後、スクエアの新フロントマンとして
本田雅人氏が加入しました。
そのテクニカルなサックス、EWI。そして音大主席ならではの
教養も手伝いクラシック、ジャズ問わず様々なジャンルに果敢に
挑戦したスクエアでしたが、
その本田氏とかねてからのヒットメーカーであったキーボードの
和泉宏隆氏が1997年に脱退。
後継としてサックスにEWI界のお兄さんこと宮崎隆睦氏と
キーボードに難波正司氏を迎えますが、一年で難波氏は離脱。
その後新たにキーボードとして松本圭司氏を迎えましたが
路線で相当迷ったようで、2000年頃にはバンドは実質空中分解寸前
だったようです。
発端は安藤まさひろ氏がスクエアを辞めたい旨を伝えたためだそうですが、
その後色々あり、結果としてスクエアは実質解散、
安藤氏が一人になった時に丁度伊東氏と会い、
二人のユニットとしてスクエアの旗揚げとなりました。

で、話は戻りますがその頃の伊東氏セッティングです。

本体...A.Selmer SA80GP
マウスピース...デュコフD8(初期)(デュコフX8)
リガチャー...バンドレンオプティマムソプラノ用
(ハリソン復刻(?),BGソプラノGP(?))
リード...バンドレンV16 特注(ラボズMH(?))

このころはセッティングをジャンルごとに分けていた可能性があります。
でなくても相当迷っていたみたいですね。
デュコフX8とは件のT.K.HomePage曰く
新型デュコフのプロトタイプ。たしかにデュコフは複数の
ラインナップがあり、P8とかラバーのデュコフとか色々ありました。
これもそれのひとつなのでしょうが、そこまで情報が無いあたり
結局プロトタイプのみ制作されその後何らかの理由でおじゃんに。
といったところでしょうか。

ハリソンハーツのオリジナルが丁度このころ廃盤となったようで、
温存を考えてか2001~2002年はバンドレンオプティマムを使うことが
多かったようです。映像でも結構みかけますね。
バンドレンオプティマムにデュコフ用というのは存在しないので、
恐らくソプラノ用を転用していると思われます。
ユニット期のスクエアは伊東氏がスランプになり、映像を見ても本調子で
ない所が散見しますが、音に深みと味が増しており、10年の空白を埋めるかのような
安藤氏とのかけあいが見られるのは非常に見てて楽しいですね。


復帰直後の映像。映像ではハリソンのようですね。

さて、様々な境遇を経て最終的にスクエアに戻ってきた
伊東氏ですが、またセッティングに更なる変化が訪れます。

では、今回はここまで、また次回お会いしましょう。
                 
    
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