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1ファンが勝手に語る伊東たけしサックスセッティング遍歴 その3

2017/ 02/ 05
                 
フルクラです。引き続き伊東たけし氏のセッティングについて語っていきます。

前回、ソロ活動を10年間したあとひょんなことからスクエアに復帰した伊東氏。
セッティング的にはリガチャーこそ変わったものの、
SA80GPを長らく使っていました。

バンドレンオプティマム使ってた時の映像。
1980年代に比べて音に深みが増してる気がします。

2000~2002はユニット期として、伊東たけし氏、安藤まさひろ氏の
二人で活動し、サポートメンバーとしてかつてのスクエアメンバーが
駆け付けたことがあったものの、基本的に固定メンバーは二人でした。
ですが2003年,T-SQUAREが25周年を迎えたことをふまえ、
かつてTHE SQUAREとして活動したメンバーと1年限定で活動します。
メンバーはアルバムTRUTH~NATURALまでに活動していた5人。
+サポートとして2000年からキーボードとして共に演奏していた
河野啓三氏が加わりました。(キーボードの和泉氏がピアノのみで参加するため)

そして期間限定メンバーでの活動の一環として、
新規アルバム「Spirits」の作成、
同世代のクロスオーバー、フュージョン界のライバルにして
共に界隈をけん引してきたバンド、Casiopeaとの共演が実演します。

この時、基本的なセッティングはそのままに、サックスのネックを
変えたようです。
ですので

本体...A.Selmer SA80GP(ネックH.Selmer SA80用GP)
マウスピース...デュコフD8(初期)
リガチャー...ハリソンハーツ(オリジナル?)
リード...バンドレンV16(特注)orバンドレンZZ(?)

映像を見る限りだと、ネックのみ金の色味が違うのと、
彫刻が入っています。(フロントのエンブレムも今までと違い青が入ってます)
このことから恐らくノナカ直営のセルマージャパンのアクタスにて
制作されているブルーローズのSA80用GPの可能性が
高いです。オクターブ付近の留め金があることから、
過去に予備として購入していたものではないでしょうか。
(2000年前半には本国セルマーのSA80Ⅱのネックに留め金は存在しない)
現在はジュビリーでネック形状も変わったので、
同仕様のネックは中古でしか手に入りません。

いくらアメセルではないネックとはいえ、純正のしかもアクタスの
金メッキですから、仕様的に正直そこまで差はないでしょう。
音色の傾向的には、SA80の純正よりか華やかで明るい音がしますね。
私のマイ楽器のSA80Ⅱ(通称ヤミちゃん)もこれと同仕様のネックですが、
非常にパワーが入り、程よく抵抗も増えるためネックだけとはいえ
侮れないと思います。

伊東氏は以前とある番組で、「(ネックを指して)これは随分変えますよね」
と言っていることから、それを実践したのだと思います。
理由としては、この時期に実はSA80GPが楽器的に「抜けて」しまったため
伊東氏が思った通りの反応をしなくなったと言われています。
(楽器において「抜ける」とは形成する金属が振動することで
抵抗感や音の角がとれることを指します。
身もふたもないことを言うと金属疲労するわけですね。
世間一般のヴィンテージ楽器とはこの状態のことが多く、
それを好んで愛用する人が多いというわけです。)

元々伊東氏はパワー系の奏者であり、抵抗が多い楽器を好んだそうです。
GPはネックだけでも結構息に対しての抵抗が増えるので、
本体まるごとだと更に当然強い抵抗になります。
更に伊東氏所持のSA80GPは銀メッキ下地の金メッキといわばメッキが
二重になっており、メッキの厚さに比例して抵抗は上がりますから、
当然パワーも必要になり「抜ける」ようにするのもかなり大変です。

つまり、そんなSA80GPを「抜いて」しまうほど吹き切った伊東氏の
パワーがすごいわけですねw
その抜いてしまった抵抗感を取り戻すための措置の一つだったのでしょう。

リードについては、以前どこかでこの時期伊東氏がZZを使っていたという
情報を聞いたためです。バンドレンZZはラボズによく似た性質のリードですが、
使っている葦の違いかよりしっとりとした音がするリードです。
元々ラボズを使っていた人ですから、一時期使ったとしてもなんら不思議では
ないですね。

この時期の伊東氏はスランプを脱し、かなりいい調子に見えます。
ファンの間でもこの時の伊東氏は特別と言う方も少なくはありませんね。


前述のCasiopeaとのライブ。最後のASAYAKEソロがしびれます。

とまあそんな感じでSA80GPを約20年ほど吹いてきた伊東氏ですが、
ネックを変えても満足できなかったようで、
ついに楽器を変えることを決意したようです。

そして数々の名演奏を打ち立てた名器SA80GPの後継として
選ばれた楽器がこれです。



分かりますでしょうか、今までと違い銀色に光る楽器、
そうです、後釜に選んだのはなんと総銀製のセルマー
セルマーシリーズ3スターリングシルバーだったのです。
使用期間はジュビリー除いてまずは2004~2008。
セッティングとしては

本体...H.Selmer Serie3 Sterling Silver
マウスピース...デュコフD8(D5?)
リガチャー...ハリソンハーツ(オリジナル?)
リード...バンドレン V16(特注)

ちなみにスターリングシルバーとは銀の含有率92.5%以上の銀のこと、
銀だけだと素材的に柔らかすぎて加工しにくいため、銅などをあえて
足すことで強度を確保するのです。
かつて総銀製サックスといいえば古くはキングスーパー20や
日本ではヤナギサワが以前より総銀製サックスというのを作ってきましたが、
セルマーが総銀製サックスを作るのはこれが初。
まさに既存の枠に留まらないという意思の表れでしょうか。
(偶然にも、かつて同じSA80GPを導入した渡辺貞夫氏もこの時期同じ
シリーズ3SSにかえています)

サウンドですがSA80GPと違いまとまっていてかつ音が丸い、というか
ゴムのように弾力をともなった感じに聴こえます。
(貞夫氏をして音がキャリーする感じ)
シリーズ3は元々SA80系と比べてパキッとしたキャラクターの
楽器ですが、総銀という素材の影響か、まったくそう聴こえません。

この時期この楽器を馴染ませるためにデュコフD5を使用したという噂があります。
たしかにライブ映像を見るといつもより負担が少なそう・・・?
ですが総銀は通常楽器に用いられる真鍮(ブラス)に比べて非常に吹奏感が重いです。
素材自体が重いためで、実際本体そのものがそうとうの重量を持っています。
まず素人は鳴らすのに苦労する上、性質の違いでニュアンスとかも相当苦労する
でしょうから、間違いなく上級者向けの楽器です。(お値段も上級者向け)

楽器を変えたタイミングと関係あるかは不明ですが2005年にスクエアは
これまでのユニットから新たに坂東慧氏、そして河野啓三氏を正式メンバーに加え
バンドとして再び活動を始めます。
(このライブツアーで参加した田中晋吾氏も未だサポート扱いですが、現在の主要
メンバーとして活動している)
ここから、2017年現在まで続くメンバーになったわけです。
ちなみに歴代でも最も長い滞在メンバーです。

若い風が入ったことで若さを取り戻したかのような伊東氏。
その後もコンスタントに活動を続け、2008年にはT-SQUARE Super Band
として過去のメンバーも交えてアルバム制作、ツアーをします。
そのときにリガチャーをセルマー純正の(恐らく)GPに変えています。
手法としてバンドレンオプティマムと同様、ソプラノ用を転用しています。
 
ニコニコにしかその映像がありませんでした。しかしどちらも
いい音色だ・・・

本体...H.Selmer Serie3 Sterling Silver
マウスピース...デュコフD8
リガチャー...セルマー新純正(GP?)
リード...バンドレン V16(特注)

セルマーのリガチャーは元々オーソドックス(今では逆に貴重)な
下締め二本ネジでしたが、今は上締め一本ネジのものに
仕様変更されています。
余談ですが、旧セルマーが下締めだった影響か新仕様になっても
未だネジを下につけて使っている人がいるようです。
普通にはめると新リガチャーはリードに接する面に角度がついているので
そのままだと100%チガチャーのパワーを発揮できません。
あえて下締めにしていない限りは、素直にネジを上にして使いましょう。

で、話は戻りますがこの年2008年にはT-SQUAREも30周年ということで
これまでの歴代メンバーを出来るだけ集めてコンサートをしようということで
T-SQUARE 30周年野音であそぶが開催されました。
そのときから伊東氏はこれまでのデュコフをベースにSAXZによって制作された
総銀製マウスピース、伊東たけしシグネチャーモデルを使い始めます。

本体...H.Selmer Serie3 Sterling Silver
マウスピース...SAXZ 伊東たけしシグネチャー
リガチャー...伊東たけしシグネチャー純正
リード...バンドレン V16(特注)

サウンドとしては総銀製なだけあって非常にふくよかでかつ上品なサウンドです。
デュコフよりももちっとした音な気がします。
何より純正リガチャーも総銀ですから、そのサウンドの一体感は最たるものでしょう。
見た目もかなり特徴的です。


デュコフに比べて音が「重い」印象がありますね。

さて、その後もスクエアとしての活動を続けていましたが、
ここで2010年にセルマーが125周年記念として現行機種のマイナーチェンジを
行いました。そうです、今のジュビリーとはこの時になったわけです。
ジュビリーの特徴として
部品各部を薄くすることによって吹奏感を軽く。
彫刻を従来の手掘りからレーザー彫刻へ。
SA80Ⅱとシリーズ3のパーツ一部共通化。
と多くの部分で改悪改変されたのですね。

まあ背景として、セルマーは2000年代前半に大規模なストライキが
発生し、これまで作っていた職人が辞めた影響で
手彫り彫刻の簡略化など、至るとこで影響が出始めてました。
そこでパーツを共通化、かつ工法を機械化することで、
職人の負担軽減とバリエーションの多さを両立しようと
したわけですね。
現に最近ではシリーズ2,3,リファレンスに加えて廉価版である
アクソスを出していますから、一定の効果は出ていると思われます。

元々旧仕様のシリーズ3SSはフラジオにおいて難があったらしく、
2008年ツアーの映像でもフラジオを吹こうとして失敗している
伊東氏を見ることができます。

それを知ってか知らずか、はたまたセルマーからテストとしてもらったか
シリーズ3もジュビリーになります。使用期間は2010(2009?)~現在

本体...H.Selmer Serie3 Sterling Silver Jubille
マウスピース...SAXZ 伊東たけしシグネチャー
リガチャー...伊東たけしシグネチャー純正
リード...バンドレン V16(特注)

旧シリーズ3SSは素材のせいか彫刻が入ってませんでしたが、
ジュビリーはレーザー彫刻になったおかげか彫刻が入っています。
サウンドとしては管体軽量化の影響かより角が立ったエッジーな音
がするように感じます。ですが元々の素材が総銀なのでそこまで
薄い音だとは思いません。
ブラス製はどうなのでしょう・・・

フラジオもジュビリーになってから当てやすくなったようで、
フレージングもかなり変化していますね。

ちなみに楽器が変わった時期ですが、
この時期は映像がほとんどなく推測するしかありません。
ですが渡辺貞夫氏が2009年ごろジュビリー仕様のシリーズ3SSを
購入したらしく、恐らく伊東氏も同じタイミングで購入した可能性が
あります。
(セルマー本社から市販に先駆けて支給された可能性があります)
一時期伊東氏は旧ネックと新ネックを取り換えていた時期があったみたいです。

さて、話は飛びますが2013年、先ほどの30周年と同様、
今度は35周年記念として歴代メンバーが再集結しました。
この時のセッティングですが、
なんとSAXZの伊東シグネチャーではなく、普通のデュコフに戻っています。
ですので

本体...H.Selmer Serie3 Sterling Silver Jubille
マウスピース...デュコフD8
リガチャー...ハリソンハーツ(オリジナル?)
リード...バンドレン V16(特注)

といつものセッティングに戻ってしまいました。
理由ですが、総銀製の音は聴いても分かる通り、非常に特徴的です。
ですが総銀の特徴として音が「重すぎる」きらいがあり、
通常総銀製のものはワンポイントで使うのが一般的です。
(リガチャーだけとか、マウスピースだけとか)
伊東氏の前述のセッティングはすべて総銀ですから、
音も重いですがなにより吹く時の負担も半端じゃないはずです。
そのことを踏まえた上での対応だったのではないでしょうか。

ちなみに、現在SAXZで伊東たけしシグネチャーは作ってないみたいですね。
まあ本人が使ってませんからね・・・


35周年時の映像。いつものセッティングですね。

さて、今回はここまでです。
次回はいよいよ完結です。
2014年頃から現在のセッティングを順番に説明していきます。

しかし、こうみるとセッティング一つで同じ人でも結構
音が変わってますね。
普段は気にしてなくても、ふとした所を変えるだけでも
かなり自分にいい効果を見込めることがあります。
今までセッティング気にしたことないわー
って人も一度見直してみると後でいいことがあるかもしれません。

ではではまた次回。
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